※ Y
Yamadanishiki
山田錦
山田錦の個性を最大限に引き出した純米大吟醸
穏やかで端正な、真面目な酒
杜氏の註釈
2021年10月
米との縁
今期の純大は、兵庫県産特 A 特等米が様々な御縁で使わせて頂ける事になったので、思い切って 35% に磨きトライする事にしました。仕込水は自家井水を、但し酒母には FUJI フイルムさんの井水を選びました。もと水は少量でも酒全体のキャラクターを方向づけるので試してみました。特 A 地区産と他の兵庫産山田錦を比較すると、味乗り、味巾、透明感に違いが出る印象です。酒米は天候、作柄により年毎収量の変動が大きいので、刈取り、等級検査等全て済み、量が確定し行き先の割り振りが決定した後、我々の手もとに届きます。山田錦の様な晩稲(おくて)の新米が入るのは、 12 月も中旬になるのが通例です。年末におくて米の新酒を出したいとすると、刈取りからすぐ入荷するルートがないかぎり、前年産の米を使う事になります。
特Aの感慨
以前居た蔵ではかなりの量の山田を買っていましたが、それでも特 A 産は出して貰えず、秋以降ようやく前年産の特 A 山田を出して貰える状況で、前述の様な違いを実感していました。ちなみに、前年産だから安くなるわけではなく、玄米の冷蔵保管代が上乗せされていました。月日がたち、こうして特A山田錦の新米で純大を仕込めるのは、個人的に感慨深いものがあります。
時を経て咲く
35% にしようと思ったきっかけは、私の師匠が造った酒が素晴らしかったからと云うのに尽きます。或る日、孫の結納に使いたいから、自分が最後に造っていった中から良いのを一升送ってくれないかと電話があり、原酒で保管されていたものを唎酒してみました。山田錦 35% 、 M-310 酵母でつくられた酒は、 2 年経って全てのつぼみが花ひらいて惚れぼれする仕上りになっていました。出来たては固く渋くて、師はこれは良くなると言っていましたが、私の想像をはるかに超えた上がり方でした。時間を経て咲く良さは、端(はな)から仕上っている良さとは別物で、あやかって私も 2 年後位にいよいようまい酒になる様イメージしてみました。一本の酒が成るには私の様な平凡な造り手にもささやかな歴史があり、息長く御覧いただければ幸に存じます。
※ Yamadanishiki
(セトイチ)
山田錦の個性を最大限に引き出した純米大吟醸。
穏やかで端正な、真面目な酒。
- タイプ
- 純米大吟醸酒 [生貯蔵酒]
- 原材料名
- 米(国産)、米麹(国産米)
- アルコール分
- 16 度
- 精米歩合
-
麹米
35%
(山田錦
100%
)
掛米 35% (山田錦 100% ) - 使用酵母
- M-310
- 日本酒度
- +1
- 酸度
- 1.2
- 容量
- 720ml
- 価格
- 11,000 円(税込)